今後、トレーナーがやるべきことは?④
 〜詐欺師になるな〜


“トレーナーはクライアントを
 安心させること“

ではなく、

“トレーナーはクライアントに
 危機感を与えること“


これはあくまでも僕の考え方。


正確に言うと危機感を乗り越えれば
その先に安心があるかもしれないということ。



「僕に任せて!」
「絶対に変わります!」
「必ず変わる!」


僕は口が裂けてもこれは言わない。



「やらないと変わらない」
「変わる可能性がある」
「そのままが良いならやらなくてもよい」

これはよく言う。



YouTubeとかで、
・絶対に脚が細くなる方法!
・1ヶ月で誰でも〇キロ痩せる方法!
・これだけ食べて絶対痩せる理由!


これを言い切れる人は凄いし、尊敬する。

と、同時にこの人たちは詐欺師の才能があるな
と感じる。

発信は一方的に好きなだけするのに
一切受信はしないスタンス。


オンライン上には詐欺師が蔓延してる。


これって普通に考えたら怖くない?!



お医者さんが
「あなたの不治の病は絶対に治る!」
「もう一生病気にならない!」

これぐらい有り得ないことを言うのと同じ。


そんなことを言うのは
ドラマの世界の医者か詐欺師ぐらい。



結局、実際その通りにして痩せた人は
何人挑戦して、
何人成功したのか、
何人失敗したのか、
全く分からない。


にも関わらず
『絶対』『誰でも』『必ず』を多用する。



『安心』は人をダメにする。


それはこれまでいろんな場面で経験している。


非常事態宣言か緩和されれば
人は安心して気が緩む。


誰でも痩せるダイエットをやり始めると
人は安心してダイエットをすぐ辞める。


ここの学校はこのままでは受からないと
このまま行ければ合格する、
気が緩みやすいのは後者。
 


元大阪府知事の橋下さんは初登庁の挨拶で、
「皆さんは『破産会社』の従業員であるという、
 その点だけは厳に認識してください」
と異例の財政非常事態宣言を行い、
府民にも職員にも最初に危機感を持たせた。


人が行動するときは
危機感を感じたことがきっかけになる。


あなたがダイエットやトレーニングするときも
実際そうでは?



『安心してください!』



この言葉ほど、人をダメにするものはない。


一時的な
信頼を得たり、
格好つけたり、
クライアントの不安を取り除くのには
これ以上ないぐらいの魔法の言葉かもしれない。



あくまでも魔法であり、
魔法はいつか解ける。



自信がないのに、
自信があるように見せかけないこと。

集客を高めたいからといって
過剰な期待をさせたり、過剰な広告はしないこと。

知識も経験もない中で
これまで何百人しかみていないのに
一流になったと勘違いしないこと。



【いつか見抜かれるよ!】



詐欺師が頭が悪いのは、
一回騙せば、その人はもう次は騙されないので
生産性が弱いということ。


そして、
騙された人は2度と同じ被害には遭わない。


それが続けば、いつかこの世から
同じ詐欺にひっかかる人は一定数はいなくなる。


生産性が1つも生まれない。


ダイエットならば
一度騙されたり、失敗したことは
もう2度とやらない。


それがパーソナルトレーニングならば、
もっとやらない。


そうやってこの先、
パーソナルトレーニングの需要率は下がる。



既存のクライアントも減り、
市場の新規顧客の数が減るならば
新規顧客をいくら獲得しても
そこに人は残らない。



偽の安心を与えて獲得する顧客よりも
今やらなければならないこと
既存客1人1人の危機を促すこと。



そうでないと 
結局、近い未来に
自分たち自身で自分たちの首を締めることになる。

 
僕がずっと前から言ってる
『この先、パーソナルトレーナーの需要が
下がる』という1つの理由は、ここである。



生き残るには
詐欺師まがいなことはしないこと。


クライアントのことを考えて
偽りなく、危機感を与える続けること。


油断せずに行こう。


トレーナーがやるべき優先順位は
安心させることではなく、
危機感を与えること。

そして、
危機感を与える前に
自分の危機を理解すること。